米国と中国は、新冷戦時代に突入したわけですが、
先ずは、ファーウェイが攻撃の対象としてクローズアップされています。
このファーウェイに対する各種の制裁は、米国の法律に基づいて行われているもので、
トランプ大統領特権で行われているものではありません。
この制裁の根拠になっている法律が2つあります。
その一つが、FIRRMA(Foreign Investment Risk Review Modernization Act、ファーマ)です。
日本語だと「外国投資リスク審査近代化法」となります。
中国の華為技術(ファーウェイ)を対象にした米国政府の禁輸措置が世界に様々な影響を及ぼしています。
この禁輸措置の根拠となっているのが、
2つ目の法律の輸出管理改革法(ECRA)で、
戦略上重要なテクノロジーの輸出を規制する法律です。
FIRRMA(ファーマ)は昨年夏、ECRAと同時に成立しています。
この二つの法律で米国の技術の他国への流失を防ごうとしているのです。
これらの法律を根拠として、ファーウェイ関連企業の禁輸企業69社のリストが作られています。
この法律は、中国をメインターゲットとしていますが、
勿論、中国以外の国にも適応されます。
禁輸企業リストは、今後も順次拡大されていくことになります。
日本企業も例外ではないのです。
注意すべきは、ファーウェイ関連企業への部品や技術を提供した企業は、米国の
「ディナイド・パーソン・リスト」(取引禁止顧客名簿)
に掲載され、米国でのビジネスが不可能となるのです。
米国とのビジネスで米国企業と無関係の企業は希少の筈です。
中国の企業とのビジネスには、前記の米国の二つの法律の検討が不可欠ということです。
ただし、法律の詳細は決められておらず、臨機応変に拡大される可能性もあります。
ファーウェイとの取引は勿論のこと、中国企業との取引に関しては慎重な検討が必要です。
グーグルは、ファーウエイの新機種へのアンドロイドOSの提供停止、Youtube、Gmail等のサービス提供を中止しました。
アマゾンもマイクロソフトもファーウェイ製品の直販を中止しました。
日本でも、携帯会社四社でファーウエイの新製品の取扱を延期しています。
ヤマダ電機、エディオン、ケーズデンキ、ノジマ等の量販店でも新機種の販売を停止しています。
ビッグカメラとヨドバシカメラは現時点では販売停止していませんが、
販売中止は時間の問題と思います。
ファーウエイ製品への包囲網は、順次拡大されてきています。
ファーウエイの今後の行き先はどうなるのでしょうか。